今回は震えが来たお話をしますか、決して作り話ではありません。
夏も終わりかけた、ちょうど今頃のような。
お寺さんの本堂を囲むように廊下があり、廊下角には住職さんの寺務所があり、普段はそこに居られるのですがその日はちょっと違いました。
朝本堂の寺務所に挨拶に伺いましたが誰も居らず、本堂も覗いたのですがいらっしゃいませんでした。
その時でした。本堂の奥からスリッパで歩いているような音がヒタ、ペタ、ヒタ、ペタと音がしてきたのです。「住職が来たのかな?」と思い、少し待っていました。
近づいてくると音がヒタ、ペタではなく、ヒタ、ヒタ、ヒタと裸足で歩いている音。次第に音が大きくなり、ヒタヒタヒタと音が速くなりこっちへ向かってくる感じがして、廊下の角まで音がしてので「これはまずい」と思いおもわず外に出て本堂の扉を閉めました。
その扉からは、誰も出てきませんでした。
実は本堂の廊下奥には行き場のないお骨を預かっている場所があり、そこから音がしてきたような気がします。
本当にありますよ。そんな場所が。