自転車で移動中、キンモクセイの甘い香りがよくただよってくるようになりました。
探すんですけれど、花はなかなか見つからないんですよね。
甘い香りの風に、秋を感じてしまいます。
風流人を気取ってみたりする、亀戸営業所のYです。
10月1日の空を見上げてみましたか?
そう、「中秋の名月」です。
本当の満月は10月2日なのだそうです。
でも、たった一日の誤差! きれいなまんまるで、勇んでスマホを空に向けたのですが……
はい、スマホで夜景や星空などを撮ろうとしたことがある方なら予想通りだと思います。
うん、単なる光の丸!
きれいさが微塵も伝わらない……(;_:)
突然ですが。
そんなふうに月を見ながら、ふと頭をよぎった和歌が一首(文学オタクの悪い癖)
「天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも」
古今集におさめられている、安倍仲麿の作です。
小倉百人一首にも選ばれているので、有名ですね。
留学先の唐(中国)から、帰れない切なさと故郷への思いを「あの月は故郷の山に出ていたものと同じなのかな」と詠んでいます。
(専門的に解釈すれば違いはあるのでしょうが、今はこの解釈で行かせていただきます!)
私の故郷は奈良ではないので、思い浮かべるのは春日山(三笠山)ではありませんが……
私の場合、米山さん(新潟県最高峰)と海と月でしょうか?
今は県をまたいでの移動も難しい時期です。文明の利器であるスマホなどを使っても、直接会うことには変えられません。
一日もはやく、大手を振るって悠々と旅行したり帰省したりできる日常が戻ってきてほしいものです。
ちなみに仲麿さん、漢詩で有名な王維(「詩仏」と称されるすごい人!)とお友達だったそうです。
彼が乗る日本へ向かう船が沈んだという知らせを受けた王維は「仲麿! なぜ死んでしまったんだ!?」という意味の詩をその場で詠んでいます。
……まぁ、仲麿さんは無事生還していますけどね。「俺死んでない!」ってツッコミがされてそうです。
結局彼らの友情は、仲麿が日本に帰れないまま、亡くなるまで続いたそうです。
「読書の秋」ともよく言います。
きっかけはなんにせよ、歴史の裏話などをちらっとのぞいてみたりするのも、秋の楽しみかもしれませんね(*^_^*)
Y