こんにちは。
介護業界のことをご紹介している基礎知識ブログの第10回目です。
今回のテーマは「認知症(にんちしょう)」とは?です。
介護の世界ではよく耳にしますが、改めて何を指す言葉なのかご紹介します。
「認知症」は比較的新しい言葉です。
少し前まで、「痴呆(ちほう)」という言葉を使っていませんでしたか?
(若い人はもう聞いたことがないかもしれませんが・・・)
国語辞典で「痴呆」をひくと「愚かなこと」「愚かな人」と出てきます。
何だか悪いイメージですね。
自分や、自分の親が「痴呆です」と言われたら
「愚かですね」と言われていることになってしまいます。
そんなのは恥ずかしい、と世間にバレないように隠したくなります。
隠して、家の中に閉じこめてしまう。
それが、早期発見や早期治療を妨げになってしまっていました。
そこで、2004年に厚生労働省は「痴呆症」を「認知症」に呼び方を変えました。
(行政用語の変更・統一であり、医学用語・法律用語は別)
つまり、痴呆症と認知症は呼び方が変わっただけで同じものを指します。
最近、言葉が出て来なくなって
「アレがアレだからアレで・・・」なんて言っていると
冗談で「認知症じゃないの」なんて言ったりしますが
年齢による物忘れと認知症は別モノです。
物忘れは年齢を重ねると誰にでも起こります(残念ながら・・・)。
一方、認知症は病気です。
認知症の定義は「後天的な脳の病気により正常に発達した知的機能が全般的かつ持続的に低下し日常生活に支障を生じた状態」となっています。
(正直何を言っているかわかりません)
簡単には、「物忘れ」と「認知症」の違いはこんな感じです。
年齢による物忘れは・・・
*忘れていることの自覚がある
*物事の一部を忘れている
*日常生活には支障がない
認知症は・・・
*忘れていることの自覚がない
*物事の全てを忘れている
*日常生活に支障がある
よく例で出されるものの一つとして
「ご飯のメニューがとっさに思い出せない」のは物忘れ、
「ご飯を食べたことを忘れている」のは認知症です。
内容の一部を忘れたときは「何だっけ」と自覚症状がありますが
体験・経験自体を忘れてしまうと自覚症状はありません。
体験自体の記憶がないので
「ご飯を食べていない」「食べさせてもらえない」となってしまいます。
このように認知症と物忘れは大きな違いがありますが
一言で「認知症」と言ってもその症状は様々。
→認知症の症状については次のブログへ
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